ハキダメにつる

アクセスカウンタ

zoom RSS 「スノーボーイ」5

<<   作成日時 : 2008/04/16 23:58   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 21

画像









photo by スキーパーク寒曳
↑キッカー(ジャンプ台)

つる「書げねぐなった」
担当編集者「何でですか」
つる「ばなな達が午後ゲレンデに出る時間がなくなった」
担「知りませんよ。センセが勝手に出発の飛行機の時刻を決めたんじゃないですか」
つる「朝、早過ぎたら、ばなな達が起きれないと思ってさ。それに北海道のゲレンデって16:30からもうナイターなんだよ。変えちゃだめだろうか」
担「いんじゃないですか。人気ブログでもないし」
つる「ホント!」
担「じゃ、柱時計の音の数もね」
つる「なにそれ」
担「ボーン、ボーンて二回鳴ってますよ」
つる「うん、わかった。あと、子供達のウェアの色もライムグリーンに」
担「ぁあっ?! 勝手だなあ」
つる「だってクリームイエローだと雪に映えないんだよ」
担「ライムグリーンてどんな色なんですか」
つる「黄緑に近いイエローだよ。蛍光色みたいな」
担「どっちにしても黄色なんだ」
つる「うん。そこ重要」

すいません、よろしくお願いします。

「スノーボーイ」5

 午後から雪が小止みになったので、わたし達3人はゲレンデに出ることにした。

 わたしは玄関先の階段で、紗季と景子のお化粧直しを待った。わたしは化粧をしない。雪でファンデーションがれるのが嫌なのだ。だからいつも日焼け止めだけだった。

 こうして付近を見渡すと、ペンションとスキー場は目と鼻の先だった。来る時にずいぶん歩いた気がしたのは大雪のせいだ。
 そして、雪の中で子供達が寄りかかっていたのはキッカーだった。そのキッカーが、さっき乾燥室にあった板と、来る時にわたしをかすめたX(ばってん)マークを繋いだ。

 ――やっぱりあれは、あの子なんだろうか。

 横にある大きなガレージから笑い声がした。子供の声に、あの子達だと思った。
 庇(ひさし)の伸びた奥まで行って、シャッターの前で気配を伺う。笑う声は続いていた。

 ピンときた。ここが彼らの秘密基地。きっとHな漫画でも見てるんだろう。うちのお兄ちゃんがそうだった。ちょうどこの子達くらいの時にお兄ちゃんの部屋で見つけたことがある。あんな大人しそうなお兄ちゃんでもそんな漫画を隠し持ってた。
 よし! さっきのお返しに現行犯逮捕でとっちめてやる。何とか彼らをギャフンとこらしめたい。
 低めに開けられたシャッターの中を覗いた。

「1、2、さぁ〜ん! 4、5、ろぉ〜っ!」「ぎゃははっ!」

 替わりばんこに「世界のナベアツ」の真似をした、ふざけっこだった。そう、あの「3の倍数と3のつく数字だけアホになる」芸人だ。

 ごめん、Hな漫画、言って。わたし汚れてる。自分が恥ずかしい。

「 さぁ〜ンじゅいっち、さぁ〜ンじゅに、さぁ〜ンじゅさぁあああ〜ン……」「ぎゃははっ!」

「ぷぷっ!」

 思わず吹き出すわたし、すぐに笑い声が止んだ。

「誰さ?↓」と中から声。
「わたし」そう言ってシャッターをくぐった。
「なに?↓」と大きい子。
「あのさ、さっきの話――」
「言わさったらだめだべ!」小さい子。「がめたんでなくて、バクっただけだべさ」
「バクった?」
「バレたら父ちゃんに殺されるべや」小さい子はなんか必死だった。
「わかった。じゃあ、言わない。その代わり」大きい子を指差して、「そっちの子に一つ聞きたいことがある」
 指された子が「そっちとか言うな」
「だって知らないんだもの、名前。何ていうの?」
「……もり」すごく嫌そうな顔で、大きい子がしぶしぶ言った。
「森は知ってる。下は? 下の名前。森なに? タロー? 」
「……りゅうたろう」
「何年?」
「5年」
「オラ、りゅうじろー。3年だわ。↓ みんなして、あんちゃんば『タロー』オラば『ジロー』て呼ばさるさ↓」横から小さい子が言った。
「わかった。そっちがタロー君でこっちがジロー君ね」

「君」づけに照れて、2人の目が泳ぐ。それを見てこっちも照れる。

「タローとジローね。わたしは工藤奈津子。みんなして『なっちゃん』て呼ばさるさ↓」ジローの真似をしてみた。

「嘘こけ! そったらこと言って『ばなな』ちゅうの、オラ聞かさったべ」ジロー。

 ちぇっ、聞いてたのか。

「じゃ、いいよ。『ばななのおねえちゃん』で」
「で、なん?↓」冷ややかな声でタロー。
「うん。表にキッカーあるでしょ?」
「あ〜」
「あれでいつも練習するの?」
「そうだべ」
「もしかして道路とか飛べる? 積もった雪のこっちからあっちに飛べる?」

 沈黙。

「ねえ。できるの?」業を煮やしたわたしが言う。
「見たん?↓」
「やっぱタローなの?」
「あっそうだ! ねえ」
「何よ」
「いいもん見せんべ!」

 わたしの問いに答えず、タローがロフトに続く梯子(はしご)を上った。ジローもそれに続く。わたしはそんな彼らを梯子の下から見上げた。

「なに。来ないんかい?↓」タロー。
「やだよ。また熊の剥製とかあるんじゃないの?」
「そったらことじゃねえべ」
「騙(だま)そうたって、そうはいかないわよ」

 タローが悲しい顔をする。
 いけない。わたしってなんてな奴なんだろう。せっかく彼が見せると言ったものを疑った。ほんとにどこまで汚れていれば気が済むんだ。

「わかった。行くよ」

 わたしが上がっていくと、目配せをしたタローとジローが、わたしとすれ違いで子猿のように梯子を滑り降りて、あっと言う間に梯子を外してしまった。

「ちょっと!」

 慌てるわたしを残し、2人はガレージに積んであった薪の山からそれぞれ一束ずつを手にして、シャッターをくぐった。

 騙された。又、騙された。

「待って! ねえ、ちょっと待って! ねえってば!」




 ちくしょー! 悪魔だわ。




<つづく> 


木の葉(木の葉落とし)クリック。
スケーティングクリック。
キッカー→ジャンプ台。
がめる→盗む。
ばくる→交換する。
北海道弁参考URLクリック。



ばなな、又騙されちゃいました。

今日のBGM→クリック。ドレミファだいじょーぶ

 年齢を問わず読んでいただきたくてお目障(めざわり)かもしれませんが読み仮名を付けます。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(21件)

内 容 ニックネーム/日時
設定の変更了解しました。
だいじょうぶ俺には神から与えられた脳内変換という特技があります。

ばなな騙されましたね。子供たち何か後ろ暗いところがあるのか。……親父さん。
まあロフトくらいなら雪の厚い場所選べば飛び降りられるでしょ。
you can fly

URL
2008/04/17 00:17
鯨さん、いつもありがとう。
設定変更ごめんね。午後2時過ぎからゲレンデってどうよ?って思って。北海道は日が短いんですよ。
子供達、後ろ暗いところがあるというか、うん、気まぐれなんですよ。ピーターパンみたいな感じかな。好意的かと思うと突き放すみたいな。そんなところうまく書けたらいいんだけど。とにかく、ばななが振り回されるわけなんです。
>ロフト
大丈夫でしょう。
つる
2008/04/17 02:00
なぜ“世界のナベアツ”の真似?笑っちゃいました。ばななちゃん、大丈夫かな?日焼けしちゃうよ。次回は誰かが助けに来てくれるのかな?本物のスノーマンとか(笑)
ia.
URL
2008/04/17 03:47
ia.さん、いつもありがとう。
何故かというと、薪を取りに行ったついでにふざけて遊んでたという設定なんです。「薪」抜けてたんであとから書き足しました。スイマセン。
ナベアツはね。間違いなく男は笑いますね。女のわたしからすると何が面白いのかわからない。男脳と女脳で笑いのツボが違うみたいですよ。
今回は誰も助けに来ないんだけど、わたしヘルプものが好きみたいです。いつもそうだわ。このずっとずっとあとにあるでしょう。
>日焼け
細かいところ拾ってくださってありがとう。メイク直しの2人を待つ設定はね、ばななと子供達だけのシーンを作るためです。そういうシーンを作るのがけっこう大変。
つる
2008/04/17 18:00
タロー君&ジロー君、ストーリーの中で大活躍ですね。道路を飛び越えていったのも小学生のタロー君だったとは……。将来はオリンピック選手でしょうか^^
>ナベアツ
最初観たときは笑いましたけど、2回目からはもう飽きましたね。ウチの姉はハマってるみたいですけど^^;
shitsuma
URL
2008/04/17 21:47
男だけどナベアツの笑いどころが分かりません。
みんな何が面白いの?

関係ないですが最近、自分が方言に萌えると気付きました。一時期作られた方言ブームのような無理に使ってるのではなく、その土地で暮らす人が自然に出す訛りや言葉が可愛い
(*´Д`)ハァハァ

北海道弁だと「〜だべさ」がイイ!

URL
2008/04/17 22:11
shitsumaさん、いつもありがとう。
タローとジローね。特にタローはいつもの平凡な子供と違えました。せっかくお話なんだから、こんくらいぶっとんでる子でもいいかなって。
>ナベアツ
2回目から飽きましたか。逆にわたしはシツコクTVで見ているうちに、笑えるようになりました。頭使わずに笑えるのがいい。
つる
2008/04/17 23:39
鯨さん、いつもありがとう。
え? 鯨さん笑えない? シツコク見てると笑えますよ、そのうち。池乃めだかみたいに、わかってるけど笑っちゃうみたくなるまで見るのがコツです。
>方言萌え
あるある。特に語尾だよね。男の人はどすな。京都弁とか好きだったりしはりますやろ(←かなりアヤシイ)。
自分でも上手く言えた時とか、バイリンガルかと錯覚しますもん。
島根弁とか、高知弁の男の人いいな。
つる
2008/04/17 23:47
設定変更おk!方言がなまらいい味だしてますねぇ。ナベアツはジャリズム時代、大阪では結構人気があったんですけどねー。いつのまにか構成作家→ピン芸人に(笑) 雪の中に飛び降りるの楽しいんですよね。屋根雪下ろしした後によく飛び降りてました^^
レイバック
URL
2008/04/18 00:07
レイバックさん、いつもありがとう。
ナベアツはコンビだったんですか。して、構成作家でもあるのか。はじめからピンだと思ってた。この人、アホやってるけど、見てるこちらより余程頭いいと思います。そうでなければ、人なんて笑わせられないもの。
屋根の雪下ろしって、そちらはそんなに降るんだ。いいな。
さて、今日は聞きたいことがあって、手ぐすね引いてお待ちしていたんです。単刀直入に言います。「Back to back」ってどんな技?
↓ここにショーン・ホワイトがやったって書いてあるんです。
http://oregonian21.blog49.fc2.com/
blog-entry-80.html

是非教えてください。お願いします。
明日アップの記事で、やっと<キックフリップ>でます。教えてくださってありがとう。
つる
2008/04/18 00:38
レイバックさんへ
あれ?↑このURLでとばないなあ。
「全力オレゴニアン」2006.02.13の記事なんです。
ショーン・ホワイトがトリノオリンピックで優勝を決めた技です。
お手数かけてごめんなさい。
つる
2008/04/18 00:46
Back to backって日本ではほとんど使われないんだけど、「おーっと!ショーンホワイト、Back to backの1080を見事に決めた!」って言うと、「フロントサイドの壁→バックサイドの壁、と連続して1080を決めた」って意味っぽいんだよね。つまり「連続して」「続けて」に近い意味だと思います。ただし調べてないので自信はありません^^;
レイバック
2008/04/18 01:29
レイバックさん、お手間かけてすみませんでした。
フロントサイドの壁からバックサイドの壁への連続技かあ。ハーフパイプの技なのね。どうもありがとうございます。
凄技ってやつを使いたかったけど、ハーフパイプじゃだめだな。あ〜あ、どっかにワンメイクのウルトラ技、ないかな〜。
つる
2008/04/18 18:35
ジャリズム「アッコにおまかせ」出てましたよ。
相方がいい具合に空気でしたけど。

URL
2008/04/18 20:31
あ。伝わってないなw「フロントサイドの壁からバックサイドの壁」って部分は単なる例えで、パイプの技限定でもなくて、「Back to back」は「連続して〜をする」「続けざまに〜する」という意味で、つまりボード限定じゃなくて、英語の慣用句だと思うよ^^ コメ連投でゴメンね。分かりやすいスゴ技ならダブルバックフリップとかでいいんじゃない?後方二回宙返り。その名のとおりだね。ttp://www.youtube.com/watch?v=XpLj_gjtjRc
れいばく
2008/04/18 20:42
鯨さん。
>「アッコにおまかせ」
あの日曜日の? 今度見てみよう。なんとなくテレビついてること多いけど各家庭で見るチャンネルが結構偏ってたりしますよね。
>相方がいい具合に空気でしたけど。
わや(めちゃくちゃ)見たくなりました。
つる
2008/04/18 22:49
れいばくさん。
はいはい。英語のほうでね。なるほど。通りで「Back to back1080」で検索しても出ないわけだ。
>分かりやすいスゴ技ならダブルバックフリップとかでいいんじゃない?
5年生で可能と思う?お話だからいいかな。「Shaun White 11 years old」の動画を見ながらイメージを膨らませてます。バックフリップとフロントフリップだったらバックフリップのほうが易しいの?もういっそのこと横回転の3600(10回転)くらい、やらせちゃおうかな。ありえないとか言うなよ。だって「Major」の吾郎が夢島で受けた特訓だって、ありえなくね?あ〜悩む悩む。
つる
2008/04/18 23:14
方言って面白いな。北海道弁は素朴でほんわかしてますね。関係ないけど、うちの群馬弁は、語尾に「ベー」がメインかな。べ、ではなくべー。「行くベー」とか。あと、「〜かんべー」(推量表現)とか。総じて、撥音・促音・長音・拗音が多く、ぶっきらぼうに聞こえるので、他地域の人が聞くと、普通の会話が喧嘩に聞こえることもあるとかないとか(・3・)
火群
2008/05/04 01:17
わーい。火群さんだー。
群馬も社内旅行とかスキーで行きましたよ。わたしM気があんのかなあ。ぶっきらぼうな物言いとか好きなんですよ。子育てはSですけど。(関係ないし)
推量表現の「〜かんべ〜」に興味深深。語尾が上がるのかな、下がるのかな。聞きてぇ〜
いつも、来てくださってありがとう。
つる
2008/05/04 01:50
実は、「わたし」の名前がなんだろうと気になってたんですよ!
おかげでスッキリしました。
後は「ばなな」の謂われかな。
話しながら歩いてて、スベッたとか?
銀河系一朗
2008/05/14 22:37
銀河系一朗さん、いつもありがとう。
やはり名前は出して正解だったのですね。良かった。最後まで「ばなな」で押し切っちゃおうかと思ったんですが、長編ですしね。ここと、後で出てくる謂れのエピソードを書いたら、更にラストが遠のきました。
モチベーションが下がり気味だったので、コメ、嬉しかったです。
つる
2008/05/14 23:15

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
にほんブログ村 小説ブログ 現代小説へ 人気blogランキングへ
「スノーボーイ」5 ハキダメにつる/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる