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zoom RSS 「理想の高校生」EAST SIDE STORY 4

<<   作成日時 : 2007/12/20 21:39   >>

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画像










EAST SIDE STORY4
「佐藤のありがとうは気持ちがいいな」

「営業だよ。マニュアル通りの」

「そうか」

「そうだよ。それよかオレ知りたいことがある」

「何だよ」

「いつからおまえは生クリームが食えるようになった? 昨日か? 今日か? それともさっきか?」

「知るか」

「平成何年の何月何日何時何分からだ?」

「うるせー」

「知りてぇ。今すぐ知りてぇ。消費税の値上げよっか知りてえ」

「うぜー。マジうぜー」

 ママチャリの荷台にくくられたX’masケーキ。佐藤さんのケーキをお持ち帰りする。すでに佐藤さんをお持ち帰りしてるぐらいの気分だ。
 二人は商店街を通り抜けようとチャリを押して歩いた。この時間帯は自転車走行禁止だった。

「おまえさ」

「うん?」

「彼女つくる気あんの?」

「なんだよ」

「つき合いたい?佐藤と」

「だったらなんだよ」

「メガネやめね?」前も言ってた。

「ああそれ」

フラッシュバック 『メガネ似合うね』 フラッシュバック

「オレ、メガネでいく」

「は?」

「もうメガネしかねえ! って思う」

「マジで?」

「マジで。なあ、それより巻主とか知ってる? バスケ部だった」

「何だよ、急に」

「うん。いや、ちょっと」

「女みたいな顔してる奴だろ? 昨日見たよ、SAGE(ゲーセン)の前で」

「いるんだ。このへん」

「いるよ。SAGEが溜り場じゃん、あいつらの。高校辞めたらしいけど」

「そうか」

「ほら。言ってるそばからいた」

「どこ」

「向こう。SAGEのバイク置場の前。黒いの」

 二三人でたむろってる中に彼がいた。じゅんぺいに言われなければ到底気づかなかっただろう。アッシュブラウンの長い髪。B系ファッション。だらしのない姿勢。体育館で一人黙々とフリースローをしていた彼からは想像もつかなかった。

「ちょっと待ってて」そう言うと「巻主!」

 向こう側に声を掛けた。ママチャリを引いて彼に近づいた。何事かとジロジロ見る仲間。黙っている彼。

「あのさ。うちの弟知ってんだろ」

「……」

「悪いんだけどもう誘わないでく」

 ボカッ!

 いきなり殴られた。目から火花。スローで飛んでくメガネ君。

 ガシャン!

 直毅は尻餅をついた。ご丁寧にも蹴り飛ばされたママチャリの下敷きになったのだ。
 自転車を倒したのは、きっと追いかけられないためだろう。逃げる巻主君にバラバラッとついて行く仲間。

 慌てて走ってくるじゅんぺいがいる。巻主君はとうに人込みに紛れて見えない。二人を遠巻きに買い物客が見ている。

「大丈夫かよ。なんだアイツ?」しゃがんで直毅と人込みを交互に見ている。

「ってえ〜」左頬がズッキンズッキン言ってる。

「殺すか!」じゅんぺい。鼻息が荒い。

「いいんだ」

「いくなんてねえよ。血ィでてる」

「へへ。かっこ悪いな、オレ」

「……」

『オレに恨みでもあったんだろうか』

 思い出せない。心当たりがあるとしたらあれだ。
 中ニの二学期の席替えで、巻主君が片思いしてるという噂の女子の隣になった。だけど、その女子と親しく喋ったこともない。
 つまり心当たりなんて全然ない。つーか彼とは、ほとんど接点がなかった。

『もしそうならこれで気が済んだんだろうか』


「あっ! ケーキ!」慌てて起こすママチャリ。箱は半分ひしゃげていた。

「死んでる」とじゅんぺい。

「あっ! メガネ!」

 死んでた。

 ここは、



【人を惜(を)し 人も恨めし 味気(あぢき)なく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は】後鳥羽院(ごとばいん)



 な感じ。



<つづく>




 ■人を惜(を)し 人も恨めし 味気(あぢき)なく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は / 後鳥羽院(ごとばいん)
<口語訳>
思い通りにならないこの世の中を、つまらないなあと思うも のだから、あるときは人をいとおしく思ったり、また別のと きは人を恨めしく思ったりしてしまうのだよ。この私は。参考URL


B系ファッションクリック

アッシュブラウンクリック



 「女みたいな子」ではなく「女みたいな顔をした子」です。巻主君は部活でイジメにあいました。イジメの理由を考えていた時に人気バスケット選手の五十嵐圭選手の写真を見ました。あ・これだと思いました。「女みたいな顔」って言われたそうです。彼はかっこいいんですけどね。それもイジメの理由になるなと思ったわけです。彼を見ていたらバレーよりバスケに魅力を感じちゃいました。

 今日のBGM→「恋人がサンタクロース」


 年齢を問わず読んでいただきたくてお目障(めざわり)かもしれませんが読み仮名を付けます。




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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
若さ漲る男子の修羅場をここまで描写できるとは・・・(臨場感もある)。さすがです・・・。
にしてもじゅんぺい熱いですね・・・。
小屋
2007/12/20 22:04
小屋たん。来てくれてありがとう。
>臨場感
ほんと?あった?「ボカッ!」が完全にギャグになっちまってます。ハードボイルドとかだと、なんと記述されるんだろう。
え〜会話については、偏差値に困難を生じた浮遊する物体から仕入れていますので常人の使用するソレとは多少ズレが発生するものと思われます。品がなくてごめんなさい。
また見てください。今回直毅は佐藤さんとたくさん喋ります。X’masなので大サービスです。
つる
2007/12/20 23:19
こんばんは。ごとばいんのコトバは重いですねえ。時代の潮流に流され、幕府には島に流され、お気の毒です。にしても、主人公はもっと気の毒です。
>すでに佐藤さんをお持ち帰りしているぐらいの気分。
ああ、それなのにドシテケーキが死んじゃうのお。おまけにメガネまでも。かわいそ。
男の子の恋人がサンタクロースではいけません。トナカイでもいけません。恋人はサトーサンです。
次回を待ちますよ。ふたりがたくさんの会話と愛を育みますように。よろしくりすます。
だっくす史人
2007/12/21 01:01
だっくす史人さん、いつもありがとう。
百人一首はおもしろいですねえ。不思議なことに楽しくて浮かれているような歌は選ばれてないんですね。無常感とかそんなのばっかりです。何を基準にして選んだのかなあ。
ケーキとメガネが死んだのはですね、お話の中で「そ・そんなあ!」ちゅうように、読み手の気を引くために入れました。なんの意味もないです。いけませんいけません。
>よろしくりすます。
これ最高。こんなところでコメに使うのもったいないです。
つる
2007/12/21 02:47
ほうほう。それでこの後はどうなるんだー。今回はドラマのワンシーンを観てるような感じでしたね。続きを読んできまっす^^
レイバック
URL
2007/12/22 14:27
レイバックさん、いつもありがとう。
この後どうなるかって?どうもならないです。巻主君もう出てこないっす。出ても名前だけです。風呂敷広げたようで、すぐしまっちまったって感じですかね。
「ヤラレちゃってもかっこいい子」には、ちょっと書けなかったなあ。残念。
つる
2007/12/23 01:12
女のような顔立ちの巻主君はどうして不良になってしまったのか。
人の数だけストーリーはありますねえ。
ケーキ、もったいない。箱の外に出なきゃクリームの味は無事かな(笑)
銀河系一朗
URL
2007/12/25 22:01
銀河系一朗、いつもありがとう。
>人の数だけストーリー
ほんとほんと。脱線してでも書きたくなります。プロの作家ならうまいこと書くんでしょうねえ。アイディアはあるのに、ほんと悔しいところです。
>ケーキ
味は変わらないので母さんが3日かけてお腹におさめたと思われます。
つる
2007/12/25 22:58

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