ハキダメにつる

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zoom RSS 読書感想文/ First Kiss

<<   作成日時 : 2007/10/07 23:22   >>

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First Kiss
担当編集者「ハハハハ、ハセガワワワ――」

つる「落ち着いて」

担「だ、だって長谷川君が、ファファファーストキキキスだなんて」

つる「いけないかい? 頑張ったからご褒美だよん」

たん「いや、いけなくなんて全然ないです。いったい相手は誰なんですか?」

つる「そんなの知らないよ」

担「またぁ。教えてくださいよ」

つる「いいじゃん、誰でも。自分で考えなよ」

担「誰でもいい、とかよくないっス。ボク長谷川君のファンなんです」

つる「羽鳥君。いいかい? 例えば『あしたのジョー』の最終回。アレね。ジョーがちょっと休んでるだけ、ちょっと椅子に腰掛けているだけ、って未(いま)だに信じている人がいるわけだ」

担「誰です、ソレ? 彼は死にました」

つる「わーっわーっ! 死んでないから!」

担「あ、センセ、デシタカ」

つる「だってね、力石徹は葬式したけどジョーはしてない。つまり、それが死んじゃいないってことの証明さ」

担「そうかなあ」

つる「そうだよ。だから小説でも映画でも、その先をどう想像しようと受けとる側の自由なのさ」

担「考えてなかったもんだから適当言ってらぁ」

つる「そんなことないよ」

担「ああそうですか。わかりましたよ。勝手に想像します」

つる「誰、誰?」

担「そうですね。さしずめ柔道部のマネージャーってところですかね。1コ下のカワイコちゃんとか」

つる「柔道部にマネージャーはいないよ。柔道部人気ないですから〜」

担「あ、そうなんですか? ん〜とじゃ、あれだ。2年1組の同級生だ」

つる「うんにゃ、同級生は来てないよ。何度も言うようですけど柔道部だから。応援に行くならサッカーとかサッカーとかサッカーだろ」

担「なんだそれ。じゃ誰なんです? もったいぶらないで教えなさいよ。感じ悪いなあもう」

つる「聞かない方がいい」

担「またまたぁ」

つる「うん。いやいいんだ。その方がいいんだよ」

担「う〜ストレス溜まンなあ。ナグッタロカッ!」

つる「キャッ! 言いますよ。言います。柔道部の隣で試合をしていたバドミントン部の3年生です」

担「3年生が? 何でまた?」

つる「その子はいずれ看護士になる」

担「それがなんか関係あるんですか?」

つる「あるよ。おおありだよ。彼女は隣のコートで彼の柔道を見ていたんだ。もちろん去年もね。看護士になるくらいだから、母性本能が強い人だったと言えるだろう。
 水飲み場で、腫(は)らした顔をバケツに突っこんでる彼を見て、いてもたってもいられない気持ちになったんだ。傷ついた人を見て、手を差し伸べたくなったんだよ。
 あのね、誰もが強い男が好きとは限らない。それに彼女は3年生だ。今年で後夜祭も最後だ。そしたら考えることは一つさ。ゴックン」

担「ああ、こんないいところで水なんて飲まないでくださいよ」

つる「これ身体にいい水なんよ」

担「早く」

つる「それでファイヤーストームの時に闇に紛れて彼に近づき、渡り廊下まで引っぱったんだ。それから嫌がる長谷川君に、そりゃもう長谷川君は嫌がったね。なのに、しがみついて押し倒して馬乗りになって、奪うようにキスしたんだよ。これで気が済んだかい?」

担「ぎゃーーーーっ! 聞きたくない。ムリヤリですか? ひどいな。長谷川君の意思はどうなるんです! First Kiss ですよ! 最低だ。先生を見損(そこ)ないました」

つる「ああなんとでも言うがいいさ。聞きたがったのはそっちなんだから。聞かれたから答えた、それだけだよ」

担「カーーーーッ! なんなんだ。ああ言えばこう言う。頭きた!」

つる「カカカ。何とでも言え」

担「ボクその筋書き変えてやりますよ。いいですか。見てろよ。




 いつのまにかファイヤーストームの炎も勢いが無くなって、くべられた廃材がガラっと崩れるたびに「おお」と小さなどよめきが起こる。

 あともう少しあともう少し、誰もが最後を見届けたい。

 ふと肩を叩かれた気がして長谷川君が振り向くと、頬に誰かの人差し指が当たった。そこに指のつっかい棒をして笑っている女子がいる。つられて長谷川君も笑った。

 誰だろう?――運動部のジャージのようだ。その上着のファスナーを一番上まで上げて、立てた襟に少し顔が潜ってる。

「さつま芋、貰ってないんだけどな」

「え?」

 ナンジャラホイ高校の伝統行事に後夜祭の男子の「さつま芋踊り」がある。それが終わると、その芋を持って、男子は好きな女子に告る。渡す相手がいない長谷川君はポケットに入れっぱなしだった。

 目の前で茶髪をゆるい三つ編みにした女子がふくれっつらをした。その頬は炎に染まってオレンジ色だ。こんなにキレイな子は見たことがなかった。

「あ、これ?」

 突然の事に言われるまま、長谷川君はズボンからはみ出したさつま芋を彼女に渡した。

「ありがとう」
 
 当然のように受け取ると、彼女はスタスタと体育館から校舎を繋ぐ渡り廊下へ歩いて行った。その先に部室が並ぶ平屋建てがあった。呆気にとられた長谷川君だったが、

「ちょっと待てよ」

 と追いかけた。

 半身で振り返った彼女が「なに?」というふうに首を傾げた。

「名前、名前聞いてない」

「リージュン。 デン・リージュン(ケ麗君)よ」

 それだけ言って彼女は渡り廊下を横切ろうとした。その前に回り込んだ長谷川君は、柱に手をついて通せんぼをした。

「ク、クラス。クラス聞いてない」

 彼女は観念したように柱にもたれると、長谷川君の顔を正面から見て言った。

「3年2組よ」

「さ、さんねん……」

 年上だ。

 だからというわけじゃないけれど、次の言葉が見つからなくて、長谷川君は固まった。

 リージュンさんは2本のさつま芋を胸に抱くと、「さあどうする?」というふうに微笑んでいる。

 腫(は)れた顔をそんなふうに見つめられて、長谷川君の視線が泳いだ。

 すうっと彼女の手がを伸びて、長谷川君の顔の絆創膏に触れた。そして「痛いね」と言うふうに眉を曇らせた。

 それから彼女は「ああ、そうだ」と言ってジャージのポケットからキティちゃんの絆創膏を取り出すと、血の滲(にじ)んだ絆創膏を剥(は)がそうとした。

「いてっ」ちょっと肩をすくめたけれど、長谷川君は黙って彼女にされるなりになっていた。

 ゆっくりと過ぎていく時間。2人はオレンジ色の優しさに包まれている。なんという満ち足りた時間。

「おー」と向こうで歓声が上がった。とうとうファイヤーストームも終わりだ。

 ふうっと辺りのオレンジが急速に薄れていく。

 歓声に気を取られた彼女が、長谷川君から目を逸(そ)らした時だった。薄くなっていくオレンジに後押しされて、長谷川君は彼女にそっと顔を寄せた。そして小さなキスをした。お礼のつもりだった。

 その柔らかな感触に戸惑う長谷川君。不意の出来事に驚いて彼を見つめるリージュンさん。

 なんだか2人はいつまでも動けない。






 どうだどうだ! 男ならこっちから行きますって!」

つる「ふーーん。で、さつま芋はどうしたんだい? さつま芋が消えたね。さつま芋を持った手でリージュンさんはどうして絆創膏が貼れるんだい」

担「何でそんな野暮を言うかなあ。さつま芋をこう肘んとこで支えて貼ったんですよ」

つる「じゃさつま芋を持ったままキスしたんかい」

担「そうです」

つる「フン! じゃキスの時、さつま芋は落ちたね。彼女の手から滑り落ちたさつま芋は長谷川君の足を直撃しました。長谷川君はとっても痛かったです。おわり」

担「何なんですかもう。さつま芋は落ちません。胸に抱えたままですから不意にキスされても彼女はどうしようもできずに、彼を受け留めたんです」

つる「はあ? キスで女子は力抜けちゃうだろ。そんな事も知らないの? だから男の書くものって、男に都合良くできてるっていうんだよ。だいたい長谷川君は女子の隙を狙ってキスするような子じゃありません」

担「ああそうですか。じゃ、リージュンさんは初めてのキスじゃないから慣れていました。だから、さつま芋は落としませんでした。長谷川君も男だから隙を狙ってでもキスがしたかったです。これでいいでしょう?」

つる「ああっ? 慣れているんなら、リージュンさんは自分からキスすンだろう。相手は年下なんだもの。それに長谷川君はやっぱりそんな子じゃありません。はい! やっぱ無理やり、られました!」

担「ちきしょーっ!」




なんかこんな曲が合うような気がするんすけど気のせいでしょうか。
 つーかもうほとんど暴走してます。どうしたんだ! わたし。


あっ!どなたかが→ここで片方の靴と時計を失くされた模様です!

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コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
10/08「こんな曲」変更しました。
長谷川君は男子ですからこっちのほうがいいかもです。
つる
2007/10/08 00:17
うんうん、どちらのキスシーンがいいかなぁ。
うーん。やっぱり僕は羽鳥氏の・・・・・・
だって男子ですから!^^;
え?誰?誰?
靴と時計失くしたのは誰?(笑)
レイバック
URL
2007/10/08 18:32
さつまいもは、オマタに挟んでいた、(いえ何でもありません)。削除です。
リージュンが出てきましたか。ファースト・キッスの相手は、つるさんかと思っていました。突然、作者が作品に登場する、わたしは平気でやっちゃいます。異次元のドッペルゲンガー、なんちゃってなあ。つるさんの作品の影響で、(と、人のせいにしながら)わたしの妄想もテッペンまで行きそうです。
最近は、オ『風呂』に勝手に入って、持主のバックに回って「礼」をしてから、お尻をつんつんして帰って来ています。オ『風呂』の背後、霊でーす。
今日は、汗、かきっぱなし。ドロン、子。
だっくす史人
2007/10/08 23:32
レイバックさん。
やはり男子だなあ。いっちゃいますか?自分から?
ふうん。年上もありだと思ったんですけどね。
いずれにしてもキスシーンはこれで封印です。こっぱずかしいことこのうえなかったですよ。でも高校生ネタでは避けて通れませんもん。書きながら照れてさつま芋に転化しました。

そうそうびっくりしましたよ。レイバックさんたらコンサート会場の5列目にいらっしゃるんですもん。とか。

ハイスタってキテレツくんの「はじめてのチュウ」のバンドだったんですね。
ドラムスかなり気に入ったかもです。この映像ではなくてfuji rock festival '99 だとドラムスの人メガネをかけているんです。いいかも。かなりきたかも。

ハイスタのリズム感に今夜は乾杯あんど完敗。
つる
2007/10/09 01:54
だっくす史人さん。
リージュンさんはテレサ・テンの中国名です。名前をお借りしました。わたしの住む所には大使館があったりして小学校のクラスにも外国の方が2・3人いらっしゃるのがふつうです。だから書いてみました。家庭環境もいろいろです。そのへんのところも、このあと小学校もので書くつもりです。

ドッペルゲンガーはもう少し推敲して明日あたりかな。あわててアップすると客観的に読めなくて必ずほころびがでてしまうんです。皆さんはそのへんのところどうされてるんでしょうね。やはり何日か寝かせるんでしょうか。

オ『風呂』の意味がわからなくてアッチのオ『風呂』か?
コメント削除欄のクリックをしたい衝動にかられています。わなわなです。
つる
2007/10/09 02:08
おはようございます^^
ハイスタって青臭くていいでしょ(笑)
ドラムのツネはメガネ似合いますよね。
僕はこの曲がお気に入りです。
シンプルなPVもいい感じなんです。
http://www.youtube.com/watch?v=QvORpQdglDw
レイバック
URL
2007/10/09 09:40
レイバックスさん
朝っぱらからハイテンションなVを5回も観てしまいました。
おかしいな。モーツァルトを聴きながらカフェオレをいただいてるはずなんですが。
わたしはレイバックスさんとこうしてお知り合いになれたことを本当に後悔しています。

・・・

寝てねえし!ハイスタの you tube で遊びすぎました。はっきり言ってとても迷惑しています。

とにかくビートのきいたドラムスに夢中です。なんだろあのスナップ。
それにハイスタの歌詞ってなんで英語なんだろ。

あの人はどんな人なんだろうとかこいつなんなんだろうとか思い始めたらもうすでに恋です。
ハイスタに恋しました。
つる
2007/10/09 11:45
それは遊びすぎやー(笑)
なんつって僕もYOUTUBEで
色々見ちゃいました。
青春時代を思い出しながら。
一番よく聴いていたのは、
10年前くらいですからねー(笑)

うんうん。
それは恋に違いない!
レイバック
URL
2007/10/10 01:36
レイバックさん
YOUTUBEでお笑いからアニメまで遊べましたよ。
今日観たらもうハイスタのMy First Kissありませんね。代わりにTcan't help falling in loveをいれておきました。がっかりです。でも観ることができただけでもめっけものだったかもです。恋は胸が痛いです。
つる
2007/10/10 23:02

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