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zoom RSS 読書感想文/長谷川君考

<<   作成日時 : 2007/08/19 19:05   >>

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長谷川君考
担「長谷川君はなんか事件に巻き込まれましたね」

つる「わかる?」

担「その前にカツアゲの話がでてましたからね」

つる「するどい!」

担「でもきっとやっつけちゃいますね。有段者なんだから」

つる「そだよ」

担「『そだよ』ってネタばればれですやん」

つる「いんだよ。ショートショートじゃないんだからさ。それに」

担「それになんです?」

つる「書きたいことは他にあるのさ」

担「他って何だろ?」

つる「へへへ」

担「いいですよ。どうせ明後日になればわかることなんですから。それより長谷川君の強さの秘密っていったい何なんです?」

つる「うん。長谷川君の……ふう〜っ。 めんどくさい」

担「どうしたんです?」

つる「暑いんだよ」

担「ええ。夏ですから」

つる「暑過ぎるんだよ」

担「暑くて面倒くさいと」

つる「うん」

担「喋るのも億劫だと」

つる「うん!」

担「言うんですね。どうも昨日から口調がへんだと思った。だいたいこの豪邸にエアコンもないってどういうことです?」

つる「エコライフだよ」

担「流行(はやり)のエコですか。エコもいいけど、この猛暑では命の危険すら感じますよ」

つる「悪いね」

担「でも『さと子の経験値』より『理想の高校生』より『読書感想文』の方が、評判がいいんですからね。面倒でも億劫でも、ここはもう一つ頑張ってもらわないと」

つる「わかったよ。で、長谷川君の何だっけ?」

担「強さの秘密です」

つる「ああ秘密ね。長谷川君のお父さんは柔道好きが高じて自宅の裏に道場を建てたんだよ」

担「へえ。どこかの体操一家みたいですね」

つる「長谷川三兄弟はそこで、小さい頃から柔道の英才教育を受けたんだ。それは“巨人の星”を地でいくような体験だったさ」

担「三兄弟だったんですか」

つる「そう。鉄の下駄だって履いたよ」

担「うわ重そうだなあ」

つる「辛い練習に枕を濡らしたこともあったよ」

担「可哀想に」

つる「その甲斐(かい)あってお兄さん二人はインターハイに出たよ」

担「末っ子なんだ。ところで二段の腕前ってどのくらいなんです?」

つる「強いよ。三男だし負けん気もハンパない。でも長谷川君の実力はもっとあるよ」

担「え? じゃ何故」

つる「高校生は二段までしか取れないのさ」

担「へ〜、そうなんだ。じゃこの先、進学しても柔道を続けるのですね」

つる「いんや。辞める」

担「でもお父さんが」

つる「うん。だから顔を合わせりゃ親父と衝突さ」

担「なるほどねえ。で、辞めてどうするんです?」

つる「お兄さんの仲裁もあって大学の教育学部に進み、落研に入る」

担「落研に?また唐突だなあ」

つる「そんなことないよ。長谷川君はもともとお笑いが好きなんだ。でなけりゃ、じゅんぺいたちとの接点がないよ」

担「接点て」

つる「会ったんだよ。新宿の“ルミネ・ザ・吉本”でさ。高校一年の夏休みに一人で長谷川君は見に来ていたんだ。ちょうど彼氏にフラレたユキ姉から、無駄になった券を貰って、じゅんぺいと直毅が、そこにで会ったのさ。そっからの付き合いなんだよ」

担「へえ」

つる「その落研で磨いた話術で 子どもたちの心をつかめる小学校教諭になるんだ」

担「長谷川君らしいですね」

つる「はじめて赴任した離島の小学校を去る日がやってくる」

担「ええ?! いきなりだな」

つる「四年一組の十二名は」

担「『二十四の瞳』のパクリですか。」

つる「見送りの岸壁で長谷川先生に心を込めて“BELIEVE”を歌う。
中には感極(きわ)まって、泣きながら歌う女の子もいたよ」

担「♪せ〜か〜いじゅう〜のぉ〜 き〜ぼお〜を〜の〜せてえ〜
こ〜のぉち〜きゅう〜は〜 まわぁあ〜て〜るぅ〜♪

ってとこから二部合唱になるんですよね。っておい! “Dr.コトー2004”じゃないんだから」

つる「そして先生を乗せた連絡船を追って、防波堤を駆け出す子どもたち」

担「ありがちだなあ」

つる「まっ青な空と白い雲、そして島の山肌の緑は濃い」

担「ちょっと。先生?」

つる「連絡線を追うように島中の漁船が出ました。大漁旗を掲げた子どもたちのお父さんやお兄さんたちです。感謝の気持ちなのでしょう。あっ、タケヒロのお父さんもいます。『おうい! おうい!』長谷川先生は夢中で手を振ります。子どもたちも、いつまでもいつまでも手を振り続けます。『せんせーい! せんせーい!』『オレたちのことわすれないでねええええぇっ!』だんだん子どもたちの声が遠くなり、やがて波にかき消されてしまいました。あとはもう岸壁に佇(たたず)む子どもたちの小さな影ばかりです。ええ、忘れませんとも。やがて島影が見えなくなる頃、長谷川先生は自分の頬の涙が風で乾いていることに気がつきました。この島でもらった暖かい気持ちを胸にしまい、先生はもっともっといい教師になることを、この海とカモメに誓ったのでした。ふう」

担「カモメってなんだよ。どこまで行っちゃうのかと思いましたよ」

つる「ごめんよ。ちょっとウルッとした」

担「ところで長谷川君は強いのにやさしい顔をしているとありますが」

つる「お母さんに似たんだよ」

担「つる先生の考えるやさしい顔って」

つる「藤木直人だよ」

担「極端だな。もう」

つる「そうでもしなくちゃ暑くてやってらんないよ」

担「ニイケンはどうなんです?」

つる「川口能活(よしかつ)だよ」

担「日本代表のGK(ゴールキーパー)ですね。そんな四人でも合コン失敗しました」

つる「うん。書いててイタかったよ」

担「でもかっこいいはずでしょう?」

つる「プールサイドではね」

担「プールサイド限定ですか。」

つる「例えばスキー場のインストラクターってかっこよくね?」

担「ええ」

つる「しょせんオフシーズンはゴーグル焼けのただの山菜取りさ」

担「ひどい言われようだなあ」

つる「そういうわけで男子高校生なんて活躍のステージ以外ではまだまだかっこ悪いのさ。私服姿なんてイモっちいもんだよ」

担「はあ。残念だなあ。ところでその口調なんとかなりませんかね」

つる「明日には直るさ」

担「そうしてくれ」

つる「あのさ」

担「なんだよ」

つる「腹筋ネタさんきゅ!」

担「おう」










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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
いいですね・・
”つるさん節”・・絶好調!!
離島の先生を私の姉がやってたことあるんですよ・・東京都の青ヶ島ってところで・・実話ですよ
ちょっと変わり者の姉でしたので自分で希望してそんな離島に行ってました
そこで知り合った中学の先生と結婚して・・また東京に戻って先生してました
(古いお話です)
Blibe・・コーラスで歌いましたよ(^0^)/
mimi
2007/08/20 10:49
ええっ!その話興味あります。
昨今は先生に注文ばかりつけるか又は期待なんかしない保護者が増えてます。
先生方のご苦労もさぞ多いことでしょう。
こどもが好きなのでいつか先生とこどもの話を書いてみたいです。
歌>音楽室から聞こえるこどもたちの歌声っていいですよね。『BLIEVE』はたぶん泣いて歌えないと思います。それほど好きな曲です。
つる
2007/08/20 16:57
すいません。『BELIEVE』です。
つる
2007/08/21 23:30

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